【リリー・エルベ】初めて性別適合手術を受けた人物

出典:リリー・エルベ – Wikipedia

リリー・エルベは1882年12月28日生まれのデンマークの画家、イラストレーターであり、世界初の性別適合手術を受けた人物として有名な方です。

出生名はアイナー・モーウンス・ヴィーグナーだったが、性別適合手術の後リリー・エルベと改名されました。

 

リリーの生涯

結婚から性別違和に気づくまで

ゲルダの作品『Ulla Poulsen』

出典:Gerda Wegener – Ulla Poulsen, 1930, Oil on canvas

1904年に同じくイラストレーターであったゲルダ・ゴトリプとデンマーク王立美術館で出会い結婚しました。

ある日、ゲルダの絵のモデルが現れず、代わりにリリーにストッキングとヒールを身につけさせ、脚のモデルを頼んだことがきっかけとなり、性別違和に気づきはじめます。

2人は1912年以降からパリに移住するのですが、その頃からリリーは女性として生活し始めます。

 

リリーは自身の精神的問題について悩んでいた

リリー自身も自分の精神的問題について悩んでおり、医師の診察を受けたが、当時はまだトランスジェンダーに対しての理解もあまりなく、研究も進んでいなかっため、精神病や同性愛者という診断しかされませんでした。

 

女性になるための手術に踏み切る

1930年、性の多様性について研究を重ね、同性愛者の擁護、フェミニストとしても活動していたドイツの性科学者マグヌス・ヒルシュフェルトのもとで睾丸摘出手術を行います。

関連記事

 

するとリリーの体内で驚くべきものが発見されました。

リリーの腹腔内に未発達の卵巣の残りかすがあったのです。

そのためかリリーはもともと体も小柄でウエストもくびれ、胸もほんのり膨らんでいたそうです。

そして明確にはされていませんが、このことからもリリーは染色体異常インターセックスの可能性も指摘されていました。

その後ドレスデン市立産婦人科診療所にてクルト・ヴァルネクロスにより陰茎の除去と卵巣の移植手術が行われました。

しかし卵巣は拒絶反応を起こしてしまったため、数回の手術を繰り返し再摘出されました。

手術後リリーはより一層女性らしく、美しくなっていきました。

リリーの手術を知った、デンマークの国王クリスチャン10世は(当時のデンマークは刑法により同性愛を犯罪と規定していたため)リリーとゲルダの婚姻を無効にしました。

 

母になりたいという強い想いから子宮移植手術を行う

婚姻が無効になったリリーはフランス人の画家のクロード・ジュンと恋に落ちます。

彼の子どもを産みたい、母になりたいと強く望んでいたリリーは1931年5回目の手術により子宮が移植し、50歳を前についに念願だった母の体を手に入れることができました。

 

完全に女性となったリリー

ゲルダが描いたリリーの肖像画

出典:リリー・エルベ – Wikipedia

手術を終えたリリーはゲルダの支援のもと、法的に性別と名前の変更をすることができました。

しかしそのわずか3ヶ月後には拒絶反応が原因で亡くなってしまい、その生涯を終えました。

 

リリーを支え続けたゲルダのその後

出典:ゲルダ・ヴィーグナー – Wikipedia

女性になりたいと望んだリリーを最期まで支え続けたゲルダですが、リリーの死後、イタリア人外交官のフェルナンド・ポルタと再婚し1936年には離婚、1938年にはデンマークに戻り、1940年にその生涯を終えました。

フェルナンド・ポルタと再婚しモロッコのマラケシュ、カサブランカで数年過ごしている間に描いた作品には「ゲルダ・ヴィーグナー・ポルタ(Gerda Wegener Porta)」とサインしており、リリー(旧姓:アイナー・モーウンス・ヴィーグナー)との婚姻関係の痕跡を残しています。

 

まとめ

リリーの腹腔内に未発達の卵巣の残りかすがあったのは衝撃ですね。

1年間で睾丸摘出、陰茎除去、卵巣移植、子宮移植と計5回もの手術を受けており、立て続けに行われる手術に、ゲルダもリリーの身体を心配して反対していたようです。

当時は移植免疫拒絶反応については解明されておらず、臓器移植という考え方そのものが議論されていない時代に、手術に挑んだリリーの姿は本当に尊敬します。

現在では性同一性障害やトランスジェンダーに対しての研究も進歩し、性別適合手術の技術も向上、確立されていますが、この方の強い決意や勇気があったからこそとも言えますね。

実はゲルダは自身がレズビアンであったと公表しており、リリーがリリーになることに抵抗がなかったそうです。

男性と何度か結婚しているのでバイセクシャルだったのかもしれませんね。

それでも性同一性障害を発症した夫を最期まで支え続けたゲルダも本当に尊敬します。

 

リリーは本気だったんだにゃ

 

おしまい。

あわせて読みたいおすすめ記事!

[st-card id=1646]

2 Comments

コウ

初めまして。リリーさんは亡くなるときには男性器が無くて子宮はある状態の身体だったから、考え方としては幸せだった感じですよね。僕は自己女性化愛好症みたいな感じなので心は男性ですけど、性転換手術で女性器にして、出来ることなら子宮と卵巣を移植してもらって、生理と妊娠と出産が可能になったら男性だけど妊娠して、自然分娩で出産することが出来たら嬉しいです。

返信する
わかな

コウさん初めまして!
たくさんの記事へのコメントありがとうございます+°.

自己女性化愛好症とは初めて聞きました!
リリーさんの時代の性同一性障害は苦しむ以外に道がなかったと思いますし、リリーさんも後悔はしてないと思います。

術後すぐに亡くなってしまいましたけど、コウさんの言う通り女性の姿で空へ旅立って行けたのは幸せにだったかもしれませんね!

返信する

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です