NONFIXという番組で「“ひらめき”で自閉症と闘う 異端の出張カウンセラー」という回が再放送されていたのをたまたま見て奥田健次さんというセラピストの方を知りました。
この番組を通して奥田健次先生にすごく感銘を受けました
そこで今回は奥田健次先生についてご紹介しようと思います。
奥田健次先生ってどんな人?
奥田先生は専門行動療法士、臨床心理士であり、日本だけでなく世界的にも活躍されているセラピストです。
「親が変われば子どもも変わる」という信念の元、自閉症の子どもを中心にカウンセリングされています。
子供一人ひとりに合わせたユニークなアイデアのカウンセリングや指導プログラムは国内外の関係者の方々からも絶賛されています。
参考 KenjiOkuda.comカウンセリングの難しさ・大変さを感じさせられた
今回の番組では、奥田先生が発達が遅れ言葉を話すことができない自閉症の子ども文汰くんをカウンセリングしているところが取り上げられていました。
奥田先生は子どもが言葉を話すことができるようになるためにはどのように接すればいいのか、訓練すればいいのかを親御さんに実演します。
とても簡単そうにやっていた奥田先生ですが、親御さんが実際にやってみるとなかなかうまくいかず、見ていてその難しさがすごく伝わってきました。
行動分析学から導き出した常識を覆す考え方
奥田先生のカウンセリングは行動分析学に基づいたカウンセリングで、マニュアル通りではなくその場のひらめきで対応していきます。
前述した子ども以外にも2人の子どもをカウンセリングしているところも取り上げられていました。
ある支援学校にいる1人女の子は、何を言っても「やだ」「怖い」と拒絶し先生たちの言うことを全く聞こうとしません。
それ以前に「やだ」「怖い」なんて言われたら、わたしたちも無理に何かを要求しようなんて思わないですよね。
それは先生たちも同じで、「やだ」「怖い」と拒絶されるとその要求をのみそれ以上の関わりをやめてしまいます。
しかし奥田先生はカウンセリングをしている中で、その女の子が「やだ」と言うことで思い通りになることを覚え、それを繰り返し使い続けた結果、口癖になってしまってることを見抜きました。
そして口癖となっている拒否の言葉は取り合わないなど、その女の子への接し方変えるよう指導しました。
すると先生の意識の変化もあり数ヶ月後にはその子の症状も少しづつ改善し良い方向へと変わっていきました。
子どもたちの発する言葉の意味や目的をしっかりと読み取り、子どもによってそれぞれ適切な対応をする奥田先生と、それにより症状がどんどん良くなっていく子どもたちの姿を見ていると「本当にひらめきなの?」と思うくらい奥田先生のすごさを感じさせられました。
当事者本人だけの問題ではない
自閉症の症状が改善するには本人以上に、親やその周りの方が変わらなければいけないと奥田先生は言っています。
前述した自閉症の子ども文汰くんの症状は少しずつ改善されていき、要求が通らないと泣くようになりました。
しかし奥田先生はカウンセリングの中で「泣く=要求が通る」というのを定着させないために、泣いた時は全く動かず振り向かず、アイコンタクトもゼロにするよう親御さんに指導していました。
「ずっと泣いている子どもに目も合わさず全く動かない」
そんなことをすると、もちろん子どもは余計に泣きますよね。
子どものためとはいえ親御さんも相当苦しいだろうなと思いました。
しかしその成果もあってか、放送の中で文汰くんは少しずつ言葉を話せるようになっていました。
健常者と障害者の子どもがいっしょに通える幼稚園
奥田先生は多忙な仕事の中、発達障害の子どもたちと健常な子どもたちが一緒に通える幼稚園の建設に取り組んでいます。
日本では初の試みとされる行動分析学に基づくカリキュラムを取り入れ、全体がうまくやっていくためにしっかり支援をしつつも、みんなが一緒に学んでいける幼稚園を目指しているそうです。
2016年12月に幼稚園の設置認可が降りたそうで、2018年4月に開園予定だそうです。
参考 サムエル幼稚園まとめ
今回は奥田健次先生についてご紹介しました。
放送の中で文汰くんのお父さんも言っていましたが、親が前を向き子どもの自閉症と向き合うことは本当に大切に感じますね。
サムエル幼稚園は健常者と障害者が一緒に通う分、抱える問題も多そうですが開園が楽しみです。
子どもの自閉症を改善するには親や周りにいる人たちも変わらないといけないというのもポイントですね