ただ取るだけじゃない!? 睾丸摘出に踏み切る前に知っておきたい知識

睾丸摘出手術とは、わかりやすく言うと金玉を取る手術のことで、玉抜きとも言われています。

この手術、一見簡単そうに聞こえますが、ただ金玉を取るだけだと思っていませんか?

 

睾丸摘出手術は手術の中では簡単な手術なのですが、実はかなり注意が必要な手術なんです!

今回は取り返しのつかなくなる前に知っておきたい性同一性障害のための睾丸摘出手術の知識などをご紹介します。

 

一度手術をしてしまうと二度と元には戻れない

睾丸摘出をする上で1番の注意が必要なのは、手術の過程で神経を切り離してしまうことです。

一度切り離してしまった神経は二度と元には戻すことができません。

そして不完全な身体になるとともに、一生ホルモン療法をし続けなければならなくなります。

 

また病院によってはカウンセリングをせずに、電話一本で手術を行ってくれる病院もあります。

上記のことから、簡単に出来てしまうからこそ注意が必要であるということを理解しなくてはならない手術です。

 

睾丸摘出手術による変化

睾丸摘出手術による一番の変化は、睾丸がなくなることにより男性ホルモンが分泌されなくなることです。

それにより身体の男性的成長が止まり、ホルモン療法による身体への影響をより受けやすくなります。

引き返せなくなる前に! 性同一性障害のホルモン療法による効果と副作用まとめ

 

また生殖機能が完全に喪失してしまうため、精液が出なくなり、陰茎(男性器)、陰嚢(玉袋)も萎縮してきます。

人によっては尿道球腺液(カウパー液)も出なくなったりするそうです。

注意

陰茎、陰嚢が萎縮しすぎると性転換(性別適合手術)の際に使う皮膚が足りなくなることがあります。

そのため性転換を考えている方は注意が必要です。

 

男性ホルモンがなくなることによる影響

女性ホルモンを投与する量を減らすことができる

女性ホルモンの投与は身体的変化(女性化)以外の目的に、男性ホルモンを抑制するという目的があります。

そのため、睾丸摘出手術により男性ホルモンが分泌されなくなることで、男性ホルモンを抑制する必要がなくなります。

上記のことから女性ホルモンを投与する量を減らすことができるようになります。

 

後述しますが、ホルモン投与には身体への負担や、様々な病気リスクも存在します。

そのため厳密には、女性ホルモンを投与する量を減らすというより、減らさなければならない場合の方が多いです。

 

様々な病気へのリスクが高くなる

出典:http://health.suntory.co.jp/professor/vol23/

上記のグラフのように、健康な方でも老化とともに男性ホルモン(テストステロン)、女性ホルモン(エストロゲン)の量が減少していきます。

性同一性障害の方の場合、これらの性ホルモンが身体的治療により分泌できなくなってしまいます。

 

ピンときた方もいると思いますが、睾丸摘出手術をした時点で、グラフにあるような様々な病気になるリスクが高くなってしまいます。

ホルモン療法により、性ホルモンを補充すれば、このリスクをある程度は軽減できるようになります。

しかしホルモン療法にも様々なリスクが存在するため、それらもあわせて考えなくてはいけませんね。

 

また女性ホルモンの欠乏により上記のグラフに表記されている病気に加え、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などのリスクも高まるようです。

 

睾丸摘出後のホルモン投与

睾丸摘出後、性ホルモンを分泌できなるので、ホルモン療法により性ホルモンを補わなくてはならないないと思いますよね。

しかし睾丸摘出後のホルモン投与への見解は医師によって様々で、ホルモン投与をしなくてもいいという医師もいます。

 

もちろん性ホルモンの投与自体に、身体への負担・副作用、合併症のリスクがあります。

また過剰に投与し肝臓病になった方も知っています。

 

性ホルモンを投与する・しない、どちらにもリスクが存在するため、悩む場合は何人かの医師と相談し、それぞれの意見を聞いた上で決めることをおすすめします。

ちなみにわたしはホルモン投与は続けた方がいいと思っているので、今も続けています。

 

睾丸摘出手術の料金

睾丸摘出の料金は10万~30万円と病院によって大きく差があります。

わたしの場合、麻酔代込みで丁度20万円でした。

紹介などによって安く手術されている方も多いので、周りにすでに手術をされている方がいるなら紹介してもらうことをおすすめします。

 

睾丸摘出手術を受けるための条件

  • 女性ホルモンによるホルモン療法を1年以上続けている。

睾丸摘出手術を受けるために必ず必要とされる条件として「女性ホルモンによるホルモン療法を1年以上続けている」という条件があります。

ホルモンバランスなどの問題から、ほとんどの病院でこの条件を提示されます。

 

病院によっては性同一性障害の診断書が必要な場合もあったりと病院によって条件が少し異なる場合もあります。

 

また手術を受ける1週間前からは、女性ホルモンの投与を一時的に止める必要があります。

わたしは身体から女性ホルモンがなくなるのが恐いと思い、ちょうど1週間前にホルモンを過剰に投与しました(絶対にマネしないで下さい)

そのせいか、術後は全身の痛みや頭痛が酷く、3日間ほど仕事も出来ませんでした。

 

まとめ:不可逆的であることを十分に考えて挑みたい手術

女性ホルモン投与による効果を受けやすくなったり、男性化が止まったりとMtFにとってとても嬉しい効果が目立ちます。

しかし一度手術を受けてしまうと二度と元には戻れません。

手術を考えている方は安易に考えず、よく考えて決断してください。

 

よ〜く考えるんだにゃ!

 

おしまい。

4 Comments

上中 務

とてもわかりやすくて、勉強になりました。
ありがとうございます。
私が自分の性に違和感を持ち始めてから中年と呼ばれる年齢まで、ずっと男性として生きてきました。
ようやく性転換が公然と認められるようになった近年、「もう若くはないのだから、、、」とあきらめていました。

先生の記事を読んで、する、しないは別として、勇気が湧いてきました。
本当にありがとうございました。

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わかな

そう言っていただけてこちらも嬉しいです!
違和感を持ちながら生きるのは本当に辛いですよね…

先生だなんてそんな大それた者ではないですが、少しでも勇気を与えることができてよかったです!
こちらこそありがとうございます+°.

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さおり

私の場合ですが、やはりカウンセリングは不十分でしたね。
術後に飲まされた止血剤が強すぎたのか、脳梗塞を発症しました(経度で済みましたが)やはり、年齢とか、体の状況を十分把握していないと事故につながります。
手術はフツーの方の二倍かかりました。睾丸が癒着しかかっていたらしく、はがすのに時間を要したとのこと。
あと、術後ですが、傷口は一週間ほどできれいにくっつきましたが自然溶融糸使用のためかその後糸の部分から細菌感染し化膿しました。抗生物質で一週間ほどかかりました。抜糸が望ましいですね。
まあ、いいところも有るわけで、ホルモン量は最低レベルに減らしています。
バストは、1サイズアップしましたね。(B→C)

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わかな

身体への影響が大きい手術にも関わらず、手術される方の身体の状況を十分に把握しようとしないのは悲しいですね。

睾丸の癒着は初めて聞きました。
MtFの方は睾丸摘出手術を希望する方も多いと思うので、これから手術をされる方は何事もなく手術を終えるために、十分なカウンセリングを行ってくれる病院を選んでほしいですね。

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