睾丸摘出手術ってどんな効果があるんだろう
したほうがいいって聞いたけど、やる意味あるの?
デメリットとかも知りたい。
この記事ではこう言った疑問に答えます。
- 睾丸摘出手術のメリット
- 睾丸摘出手術のデメリット
わたし自身、睾丸摘出手術を経験していて、手術前はメリット・デメリットが気になってよく調べていました。
そこで今回は「性同一性障害のMtFが行う玉抜きのメリットとデメリット」について解説していこうと思います。
目次
睾丸摘出手術のメリットになる効果
睾丸摘出手術のメリットになる効果は以下の通りです。
- 男性化が止まる
- 女性ホルモンの影響を受けやすくなる
- 男性的な部分が解消される
- 股間の膨らみが軽減される
ひとつずつ解説していきます。
1.男性化が止まる
MtFにとって最悪の事態は男性化が進んでしまうことですよね。
睾丸摘出手術によって睾丸がなくなり男性ホルモンが分泌されなくなるため、男性化が止まります。
男性の男性ホルモンの分泌のピークは25~26歳と言われるので「ピークを過ぎると男性化が止まるんじゃないの?」と考える方も少なくありません。
実際にほとんど男性化しない方がいるは事実ですが、そういう方はほんの一握りしかいないのが現実です。
わたしはMtF当事者で、水商売をしていた経験から、様々なMtF当事者の方の話を聞く機会がありました。
睾丸摘出手術をせずに生きてきた方のほとんどは「年を重ねるにつれて顔も体もごつごつしてきた」と悩んでいます。
そんな悩みの種となる男性化を止められるのはメリットになります。
ちなみに髭が細くなることはありますが、なくなることはありません
2.女性ホルモンの影響を受けやすくなる
睾丸摘出手術により男性ホルモンが分泌されなくなることで、女性ホルモンの効果を受けやすくなります。
わたしはもともと鷲鼻気味でした。
女性ホルモンの投与だけでは改善されなかったのですが、睾丸摘出手術をしてから改善されました。
これは女性ホルモンの「肉付きが女性らしくなる」という効果が大きく表れている証ですね。
3.男性的な部分が解消される
男性ホルモンの分泌が止まり、女性ホルモンの影響を受けやすくなることで、男性的な部分が解消されます。
MtFにとって男性的な部分が解消されることは、精神的ストレスの軽減につながりますよね。
解消される部分に個人差がありますが、主に以下の部分が解消されます。
- 男性特有のにおい
- 男性的な顔と体
男性特有のニオイがなくなるのは男兄弟がいる方なら実感できるかもしれません。
わたしには弟がいます。手術前は弟の部屋に特ににおいは感じなかったのですが、手術して数週間後、全くにおいを感じなかった弟の部屋に脂っぽい汗のようなニオイを感じるようになりました。
匂いに関しては男性臭が消えたからか、中には周りから女性特有の匂いを感じられるようになったという方もいるようです。
ちなみにわたしは女性特有の匂いを感じると言われたことはないので、この点も個人差があると思います
男性的な顔と体が解消されるのは「女性ホルモンの影響を受けやすくなる」ことに重なるのですが、脂肪の付き方がより女性的になることから顔や体が丸みを帯びてくるためです。
男性的な部分の解消は個人差が大きく、わたしのように鷲鼻が改善されたという方もいれば、全く改善しなかったという方もいます。
匂いの面が解消されるのは大きく、目に見えない男性的な部分が解消されるのは大きなメリットですね。
4.股間の膨らみが軽減される
スキニーパンツなどシルエットの出やすい服を着ると、どうしても股間の膨らみが気になりますよね。
睾丸摘出すると睾丸の分、物理的に体積が減るので、股間の膨らみが少し軽減されます。
膨らみを抑える方法はいくつかありますが、睾丸摘出によってそれらの方法で股間をスッキリさせやすくなるのはメリットですね。
【MtFの服装問題】股間の膨らみ軽減術3選!股間スッキリ快適に!睾丸摘出手術のデメリットになる効果
睾丸摘出手術のデメリットになる効果は以下の通りです。
- 一度行うと二度と元には戻れない
- ホルモン投与をやめられなくなる
- 病気のリスクが高くなる
- 術後の期間により性転換手術にも影響する
- 生殖機能を失う
ひとつずつ解説していきます。
1.一度行うと二度と元には戻れない
睾丸摘出手術は手術の際に神経を切ってしまうため、一度行うと二度と元には戻れなくなります。
このデメリットは睾丸摘出手術をする上で最も注意しなくてはいけない部分です。
睾丸摘出手術は、病院によってはカウンセリングをせずに電話一本で手術を行ってくれる病院も存在します。
早く手術がしたいと思う方も多く、有難く感じる方も多いと思いますが、簡単に出来てしまうからこそ注意が必要な手術なのです。
2.ホルモン投与をやめられなくなる
睾丸摘出手術によって男性ホルモンが分泌されなくなるため、女性ホルモンの投与をやめられなくなってしまいます。
健康な体はホルモンがなくなると脳から指令を出し足りないホルモン補充します。
しかし睾丸摘出手術をするとそれができなくなるため、自分で補充しなくてはいけません。そのため一生続けなくてはならなくなるのです。
医師によっては睾丸摘出後はホルモン投与をやめていいという方もいる
医師によっては、睾丸摘出後はホルモン投与をやめてもいいという方もいます。
しかしホルモン投与をやめることで、更年期障害など性ホルモンがないことによる病気のリスクが高まります。
ホルモン投与をやめる(性ホルモンが減少する)ことによるリスクは上記のグラフを見れば明白です。
老化も10倍速になると言われていて、知り合いのMtFの方は50代でまつ毛にまで白髪が生えていました。
女性ホルモンを投与することによって発生するデメリットは回避できるものの、結局別の弊害がやってくるので、睾丸摘出後のホルモンの投与は続けるべきだとわたしは思います。
一生抱えなくてはいけないデメリットなので、ホルモンの投与がやめられなくなるデメリットは十分に意識しなくてはいけません。
3.病気のリスクが高くなる
何度も触れていますが、自分で性ホルモンを分泌できなくなることから、ホルモンバランスのコントロールをできない身体になってしまいます。
それを補うために女性ホルモンを投与するのですが、MtFはホルモン投与により女性の女性ホルモン量のピークを常に維持することになります。
そのため乳がんなど女性ホルモンによる病気のリスクが女性よりも高くなってしまうのです。
このデメリットは「女性ホルモンの影響を受けやすくなる」のメリットと相反する部分で、いい影響を受けやすくなる分、悪影響も受けやすくなります。
4.術後の期間により性転換手術にも影響する
睾丸摘出手術をするとペニス(陰茎)と睾丸を包む玉袋(陰嚢)が徐々に小さくなります。
そのため睾丸摘出手術から性転換までの期間が開いてしまうと性転換手術に影響が出てしまいます。
わたしも睾丸摘出手術から性転換まで7年開いてしまったため、手術方法は1種類からしか選択することしかできませんでした。
睾丸摘出手術から性転換まで開けていい期間の目安は1年です。
反転法による性転換手術を考えている方は注意が必要なデメリットですね。
5.生殖機能を失う
睾丸摘出手術を行うと男性ホルモンを分泌できなくなる以外に、精子・精液を作れなくなります。
これは生殖機能を失うことを意味し、今後、子どもを作ることができなくなってしまいます。
絶頂の感覚は残りますが、何も出なくなるのは人によってはデメリットだと思います。
またカウパー線液が出なくなる方もいるそうです。
わたしは精子・精液は作れなくなりましたが、カウパー線液に変化はありませんでした。
精子・精液を作れなくなることに関しては、メリットになる方もいると思います。
しかし二度と元に戻すことができない要素なので、デメリットに加えました。
まとめ
今回は睾丸摘出手術による効果をメリット・デメリット別に解説しました。
- 男性化が止まる
- 女性ホルモンの影響を受けやすくなる
- 男性的な部分が解消される
- 股間の膨らみが軽減される
- 一度行うと二度と元には戻れない
- ホルモン投与をやめられなくなる
- 病気のリスクが高くなる
- 術後の期間により性転換手術にも影響する
- 生殖機能を失う
手術を考えている場合はこう言ったメリット・デメリットを十分に理解したうえで臨みたいですね