結局どれを使えばいいの?【女性ホルモン剤を種類別に解説】

性同一性障害の女性
性同一性障害の女性

女性ホルモンを投与しようと思うけどどのホルモン剤で投与しようか悩む

種類ごとの特徴やメリット・デメリットがあれば知りたい

いろいろあるけど結局のところどれがいいの?

この記事ではこういった疑問に答えます。

本記事の内容
  • 女性ホルモン剤の種類別メリットとデメリット
  • 女性ホルモン剤の種類ごとの特徴
  • おすすめの女性ホルモン剤

「女性ホルモン剤に種類があるのは知ってるけど、どんな特徴があるのかは知らない」という方は意外と多いです。

そこで今回は女性ホルモン剤の種類ごとの特徴とメリット・デメリット、結局どの女性ホルモン剤がいいのかを解説していきます。

ちなみにわたしは注射と塗り薬での投与を経験しています。

女性ホルモン剤の種類

女性ホルモン剤は大きく分けて3種類があります。

  • 注射剤
  • 経皮剤
  • 経口剤

注射剤は注射、経皮剤は塗り薬と貼り薬(パッチ)、経口剤は飲み薬(錠剤)の女性ホルモン剤です。

種類別メリット・デメリットまとめ

まずは女性ホルモン剤のそれぞれの特徴をメリット・デメリットごとにまとめました。

種類メリットデメリット
注射効果を実感しやすい
即効性がある
天然型のホルモンを補充できる
女性ホルモンの血中濃度を高い値に引き上げるため病気のリスクが高くなる
血栓症のリスクが高まる
肝臓への負担が大きい
自己投与できず月に数回の通院が必要
塗り薬女性ホルモンの血中濃度を健常な女性と同じように維持できる
女性ホルモン投与による病気のリスクを抑えられる
肝臓への負担が少ない
天然型のホルモンを補充できる
効果を実感しにくい
毎日投与しなくてはならない
飲み薬使用する場所を選ばず使いやすい肝臓への負担が大きい
血栓症のリスクが高まる
女性ホルモンの吸収効率が悪い
合成ホルモンである
貼り薬女性ホルモンの血中濃度を一定に保ったまま維持できる
女性ホルモン投与による病気のリスクを抑えられる
肝臓への負担が少ない
天然型のホルモンを補充できる
効果を実感しにくい

ホルモン投与初期であれば、効果を実感しやすい「注射」に魅力を感じますね。

健康面では「塗り薬」と「貼り薬」が優れています。

肝臓への負担とそれぞれの費用

メリット・デメリットだけではどれを使おうか悩むという方もいると思うので、肝臓への負担や費用についてもまとめておきます。

肝臓への負担の大きさ

注射>飲み薬>貼り薬=塗り薬

投与方法一か月あたりの費用
注射2000〜10000円/月
塗り薬4000〜6000円/月
飲み薬(錠剤)2000〜4000円/月
貼り薬(パッチ)2000〜3000円/月
MEMO
この費用の基準は睾丸摘出をしていないMtFがホルモン投与をする場合の基準です。
まりな
まりな

わたしは一時期、注射によるホルモン投与をしていましたが、現在は塗り薬での投与に切り替えました

女性ホルモン剤の種類ごとの特徴

女性ホルモン剤の特徴を種類ごとに解説していきます。

基本的なことは表にまとめているので、不要な方は飛ばしても大丈夫です。

注射

注射による女性ホルモン投与は、注射剤に分類される女性ホルモンです。筋肉に注射するため、肩やお尻に注射し投与します。

注射により血液に直接投与するため、効果を実感しやすいのが特徴です。

2~3週間分の女性ホルモンを1回で投与するため、身体的な変化が得やすくなっています。

血液に直接投与している分、他の投与方法に比べて即効性もあります。効果を実感しやすい点や、即効性がある点は注射によるホルモン投与の大きなメリットですね。

しかし2~3週間分の女性ホルモンを一気に投与している分、肝臓には大きな負担がかかってしまいます。女性ホルモン投与による病気のリスクが高くなる他、血栓症のリスクも高めてしまうのは重大なデメリットです。

自分で投与することができないため、月に数回の通院が必要なのも少し面倒ですね。

塗り薬

塗り薬は経皮剤に分類される女性ホルモン剤で、皮膚から吸収させるのが特徴です。

1番の特徴は、女性ホルモンの血中濃度を健常な女性と同じように維持できることです。

塗り薬は毎日投与し、1日の中で徐々に血中濃度が低くなっていきます。この変化が最も自然な変化で、他の投与方法に比べて健常な女性に近いかたちで女性ホルモンを補充することができます。

1回の投与が少量なため毎日投与しなければいけませんが、他の投与方法と比べて肝臓への負担が少ないのがメリットです。また女性ホルモンによる病気のリスクも抑えることができます。

少しずつ投与するため、効果を実感しにくいのは塗り薬のデメリットですね。

わたしは塗り薬によるホルモン投与を始め途中で注射による投与に切り替えたのですが、効果の実感は圧倒的に注射による投与の方が感じました。

現在は塗り薬に戻し、毎日投与しています。

飲み薬

飲み薬は経口剤に分類される女性ホルモン剤で、肝臓を経由して体内に吸収されます。肝臓を経由することから、肝臓に負担がかかる投与方法です。

女性ホルモンが肝臓で分解されることを考慮し、錠剤には多めに女性ホルモンが含有されています。そのため女性ホルモン投与による病気のリスクが高くなってしまいます。

錠剤のため女性ホルモンは合成ホルモンです。吸収効率も悪く他の投与方法にはないデメリットを抱えています。

場所を選ばず投与できる点は、他の投与方法より優れた点ですね。

貼り薬

貼り薬は塗り薬と同じく経皮剤に分類される女性ホルモン剤です。貼っている間、貼り薬に含まれる女性ホルモンがなくなるまで少しずつ常に補充され続けます。

塗り薬と同じく少量ずつの補充であり、経皮剤のため肝臓への負担が少ないのも特徴です。

塗り薬と異なり、女性ホルモンの血中濃度を一定に保ったまま維持するため、体にとっては不自然な状態を生み出してしまいます。

大きなデメリットにはなりませんが、この点が同じ経皮剤の塗り薬に劣る点です。

おすすめの女性ホルモン剤

肝臓への負担やそれぞれのメリット・デメリットを考慮すると、長期的に投与する場合は塗り薬がおすすめです。

女性ホルモンの効果を早く実感したい場合は注射が効果的ですが、デメリットとなる効果も現れやすいため、長期の注射による投与はおすすめできません。

貼り薬だと貼った部分がかぶれてしまうなど、投与方法によって合う合わないもあります。どの女性ホルモン剤を選ぶかはそういった点も考慮したいですね。

わたしは塗り薬の女性ホルモン剤を風呂上りに塗っているのですが、夜の営みがありそうな日は相手に摂取させてしまうことが心配で塗ることができません。

塗り薬にはそういったデメリットもあります。

まりな
まりな

私生活の使いにくさはありますが、塗り薬の女性ホルモン剤が健康にも優しくおすすめです

まとめ

今回は女性ホルモン剤の種類ごとの特徴とメリット・デメリット、結局どの女性ホルモン剤がいいのかを解説しました。

まりな
まりな

合う合わないを重視して身体に適したものを選びましょう

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