【女性ホルモン剤によるMtFの体の変化】効果や副作用を解説!

性同一性障害の女性
性同一性障害の女性

女性ホルモンで体はどう変化するの?

女性ホルモンを投与するメリットが知りたい

でも副作用やリスクも気になる…

この記事ではこういった疑問に答えます。

本記事の内容
  • 女性ホルモンのメリットになる効果
  • 女性ホルモンの副作用(デメリットになる効果)
  • 女性ホルモンの最も注意しなくてはいけないポイント

MtFにとって最初の一歩ともいえるGID治療で、自分の体がこれからどう変化していくのか気になる部分でもありますね。

そこで今回は女性ホルモンのメリットになる効果、副作用、注意点を解説していきます。

女性ホルモンのメリットになる効果

女性ホルモンを投与することで以下の効果が期待できます。

  1. 乳腺の発達
  2. 肌質が女性的になる
  3. 脂肪の付き方が女性的になる
  4. 頭髪の増加
  5. 髪質の変化
  6. 髭や体毛の減少

それぞれ解説していきます。

1.乳腺の発達

女性ホルモンを投与することで乳腺が刺激され発達します。ほとんどの場合、第二次成長期(11~13歳)を過ぎての投与になるため、女性のような急激な変化は望めません。

わたしの場合、おっぱいはAカップまで成長しました。

まりな
まりな

大抵の場合、成長してもBカップまでです。

ごく少数ですが、乳腺のマッサージをしっかり行った人や、元々乳腺が発達しやすかった人はDカップまで成長する方もいるようですね。

この点は最善を尽くしても自力では難しい部分も多いので「女性にもAカップやBカップの人がいる」と妥協したほうがよさそうです。

生物学的には男性であるわたしたちは、乳腺があまり発達しないため、胸がないことがほとんどです。

サイズの良しあしはありますが、少しでも胸がサイズアップすることは、MtFにとってメリットですね。

2.肌質が女性的になる

女性ホルモンによって男性ホルモンの分泌が抑制されるため、肌のきめが細かくなります。

わたしはもともとニキビ肌だったので、それが大きく改善されました。

また肌が柔らかくなります。

わたしは顔や体は柔らかくなりましたが、手のひらは段ボールに触れることの多い仕事をしていたこともあり、変わりませんでした。

すべての効果に言えることですが、女性ホルモンにより肌質が改善されない方もいます。

このあたりは環境による面も大きく、投与してみないとわかりません。

もし変化しなかったら別の方法を試してみたいですね。

3.脂肪のつき方が女性的になる

生物学的に男性のMtFは男性ホルモンに準じて脂肪がつきます。

男性ホルモンの働きであるため、脂肪のつき方はどうしても男性的になってしまいます。

そのため女性ホルモンを投与することで、脂肪のつき方が女性ホルモンに準じたものへと変化します。

わたしは女性ホルモンを投与して1年半くらい経過したタイミングで、1ヶ月仕事を休んだ時期があるのですが、その時、不本意にも5キロほど太ってしましました。

太ってしまったのは誤算でしたが、顔や胸、腰回りなど、脂肪のつき方は明らかに女性的になっていました。

骨格は変化しないため、女性のように太ってもくびれているといことはありません。

しかし女性としてつくべき場所に脂肪がつくのは大きなメリットですね。

4.頭髪の増加

髪の毛には毛周期(ヘアサイクル)というものが存在します。

この周期を、成長期→退行期→休止期と繰り返すことで常に生え変わっているのです。

女性ホルモンには成長期から退行期への移行を抑制する働きがあり、この働きが頭髪の増加につながります。

長年、女性ホルモンを投与している方の頭髪を見ると、男性と比べて頭髪の量は一目瞭然です。

また男性ホルモンが抑制されることで、はげ防止にもつながっています。

男性ホルモンはAGA(男性型脱毛症)を発症させる働きもあるので、はげ防止はこのあたりが関係しています。

まりな
まりな

ちなみにわたし自身、元々髪の毛の量が多かったため、大きな変化は感じられませんでした。

5.髪質の変化

髪の毛の色やツヤは女性ホルモンによって保たれています。

女性ホルモンの投与により、体内の女性ホルモンの量が増えることで、髪質にも女性ホルモンの影響が表れます。

どういう風に髪質が変化するかは人によって異なりますが、わたしの場合、髪の毛が少し細くなり、くせ毛が解消されました。

その他には髪の毛のベタつきが表れにくくなったりもします。

6.髭や体毛の減少

男性ホルモンには髭や体毛を濃く太く成長させる働きがあります。

女性ホルモンによって男性ホルモンの分泌が抑制されることにより、髭や体毛の減少につながるのです。

わたしは体毛が濃い方で、へそから陰部にかけて生える毛(ギャランドゥ)も生えていましたが、女性ホルモンの投与によりかなり減少しました。

女性ホルモンによって髭や体毛が0になることはないので、髭や体毛が濃い方は脱毛するのがおすすめです。

女性ホルモンの副作用(デメリットになる効果)

女性ホルモンを投与することでメリットとなる様々な効果が期待できますが、それ以上に副作用(デメリット)となる効果もあります。

主な副作用は以下の通りです。

  1. 病気のリスクの増加
  2. 体調不良を引き起こしやすくなる
  3. 男性器の委縮
  4. 生殖機能を失う
  5. 勃起障害
  6. 筋肉の減少
  7. 乳頭の過敏症
  8. 乳輪の色素沈着

それぞれ解説していきます。

1.病気のリスクの増加

ホルモンバランスの乱れや、ホルモン投与による負担、女性ホルモンの増加により、以下のような病気を引き起こすリスクがあります。

  • 深部静脈血栓症
  • 心不全
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 肝機能障害
  • 乳がん

深部静脈血栓症、心不全、心筋梗塞、脳梗塞などは年齢や環境によるものも大きく、長年投与している人に見られることが多いようです。

お世話になっているMtFの方は、40代の頃に脳梗塞で倒れたこともありました。

肝機能障害は投与された女性ホルモンを分解する際に、肝臓も使われるからです。

女性ホルモンの過剰投与や、お酒、たばこの常用が肝機能障害を引き起こす後押しにもなるので、当てはまる方は要注意ですね。

女性ホルモンを定期的に投与することによって、女性の女性ホルモン量のピークを常に維持することになります。

乳がんは女性特有の病気ですが、定期的な投与により女性よりも乳がんのリスクが高くなります。

「病気のリスクの増加」は女性ホルモンを投与するにあたって、一生向き合っていかなくてはいけません。

肝機能障害に関しては自分でもある程度抑えられるため、気を付けたいポイントですね。

2.体調不良を引き起こしやすくなる

主な体調不良は以下の通りです。

  • 頭痛
  • めまい
  • 貧血

女性は女性ホルモンのバランスの乱れにより、めまいや頭痛を引き起こします。

女性ホルモンを投与することによって、女性ホルモンが減少する影響を受けるようになるため、同じような症状を引き起こしてしまうのです。

貧血は男性ホルモンの分泌が抑制されることによって引き起こされやすくなります。

これは男性ホルモンが血を作るように働きかける性質も持っているからです。

すべて女性に多い体調不良であり、女性ホルモンが体に与える影響の大きさがわかりますね。

3.男性器の委縮

女性ホルモンの増加に伴い男性器は委縮して(小さく縮んで)しまいます。

男性器に違和感を持つMtFのわたしたちにとって、男性器が小さくなることは大きなメリットです。

しかし小さくなることで性転換に支障をきたすこともあるので、長期のホルモン投与はデメリットにもなってしまいます。

玉抜き(睾丸摘出)によるものもありますが、わたしは長期のホルモン投与によって、手術方法は1種類からしか選択することしかできませんでした。

反転法による性転換手術を考えている方には注意が必要なデメリットです。

4.生殖機能を失う

女性ホルモンの投与によって男性としての機能が徐々に低下していきます。

わたしの場合、投与一年ごろから精液が徐々に薄くなっていきました。

長期の投与で精液が出なくなると、生殖機能を完全に失ってしまいます。

「男性器の委縮」と同じように表面上はメリットとなりますが、不可逆的なものであることを踏まえるとデメリットでもありますね。

5.勃起障害

生殖機能を失うことと共通しますが、男性としての機能が徐々に低下することで、勃起障害も引き起こします。

勃起は男性としての象徴であり、勃起障害を引き起こすのはメリットでもあります。

しかし勃起は性行為の際の性的興奮度を視覚化したような現象でもあるため、人によってはデメリットにもなりますね。

6.筋肉の減少

何度もお話ししている通り、女性ホルモンの投与により男性ホルモンの分泌が抑制されます。

筋肉を作る働きもある男性ホルモンを抑制することが、筋肉の減少につながるのです。

大きい筋肉がついているMtFにとって、筋肉の減少はメリットです。

しかし筋肉の減少の進行具合によっては、肥満にもつながるため、わたしには大きなデメリットに感じます。

わたし自身、女性ホルモンの投与の影響により太りましたし、現在はジムに通い筋トレをしています。

7.乳頭の過敏症

わかりやすく言えば乳首が感じやすくなるということです。

乳腺が発達することにより、敏感になるのですが、人によっては過敏になってしまうこともあるようです。

女性ホルモンの投与をはじめた最初の頃は、服に乳首がすれるのが痛いほど、わたしもかなり敏感になりました。

元々わたしは感度が鈍感です。

そのため、現在はホルモン投与によって普通の感度を保っています。

8.乳首・乳輪の色素沈着

女性ホルモンの量が増加するとメラニン細胞が活発化し、乳首や乳輪が色素沈着を引き起こします。

多くの女性の乳首が茶色く、妊娠後は黒くなってしまうのはこのためですね。

色素沈着の濃さは女性ホルモンの量に比例するため、投与を中断すると徐々に色は薄くなります。

この原理はおばあちゃんの乳首の色がピンクであることが多いことからわかります。

乳首、乳輪が黒くなってしまうことは視覚的にはデメリットに感じる方も多いです。

しかし女性ホルモンを体内に維持できている証でもあるため、そういった意味では嬉しい変化ですね。

女性ホルモンの最も注意しなくてはいけないポイント

女性ホルモンの投与で最も注意しなくてはいけない点は、不可逆的であることです。

「生殖機能を失う」項でもお話ししましたが、メリット・デメリットを含めて、女性ホルモンは不可逆的な変化ももたらします。

短期間での投与であれば後戻りできる可能性があるのは事実です。

しかし乳腺の発達、生殖機能の低下、勃起障害などは元に戻らないことがほとんどであるため、投与には覚悟を持って臨まなくてはいけません。

まとめ

今回は女性ホルモンのメリットになる効果、副作用(デメリット)、注意点を解説しました。

女性ホルモンのメリット

  1. 乳腺の発達
  2. 肌質が女性的になる
  3. 脂肪の付き方が女性的になる
  4. 頭髪の増加
  5. 髪質の変化
  6. 髭や体毛の減少

女性ホルモンの副作用(デメリット)

  1. 病気のリスクの増加
  2. 体調不良を引き起こしやすくなる
  3. 男性器の委縮
  4. 生殖機能を失う
  5. 勃起障害
  6. 筋肉の減少
  7. 乳頭の過敏症
  8. 乳輪の色素沈着
まりな
まりな

MtFにとって嬉しい効果も多いですが、病気のリスクや不可逆的なことも十分に理解して投与しましょう

この記事は以下のサイトを参考にしています。

参考 ホルモン療法ナグモクリニックGID診療

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